現代社会におけるクリティカルシンキングの意義と教育のためのTOCの革新性

京都大学経営管理大学院 経営研究センター長・教授
特定非営利活動法人 教育のためのTOC日本支部 理事長
若林 靖永氏

コロナ禍において前代未聞(とはいえグローバル危機としてのパンデミックは予想されていました)の状況に日本で、世界で私たちは巻き込まれた。
このような中で正解がない、不確実な状況で、多くの情報を吟味することが求められ、どう対応していくか日々自らの意思決定が問われている。
このような「VUCA」の現代社会において求められるものこそ、クリティカルシンキングであり、「21世紀型スキル」など、国内外でこれからの教育の必須内容とされている。
しかしながら、どのようにしてクリティカルシンキングを学ぶか、活用していくかという点では、「考えることを考える」ということから特別な困難性を持っている。
そこを大きく突破する可能性をもっているのが、教育のためのTOCである。
TOCの継続的改善における「なにを変えるか」「何に変えるか」「どのようにして変えるか」という問いに対応した3つのツールは、同時に、私たちが状況や課題に主体的に直面し、新たな希望を見出し、それへの一歩を着実に踏み出すという革新的なクリティカルシンキングの道具となっている。
個を尊重する新たな組織や社会をつくりあげていくために、個が主体となって組織や社会をより良くしていくために、教育のためのTOCは大きく貢献するだろう。